墓石には文字を刻むのが一般的です。 そして、どんなものを刻むのかというのは、お墓のタイプによって異なります。 もちろん、どんな文字を刻むかは自由ですが、基本的には、こんな方法が主流になっています。 まずは、墓石の正面側に刻む文字を考えてみましょう。 基本的に家墓の場合は棹石の正面には家名を刻みます。 さらに右側面などに戒名や没年・享年などを刻むことになります。 享年とは、亡くなったときに数え年をあらわすものです。 これは母親の胎内にいたときのことも含めて数えるのが理由だと言われています。 もちろん基本的に墓石の正面に刻む文字は自由ですし、特別なルールはありません。 家墓ではなく、個人墓の場合や夫婦墓の場合は故人の戒名や俗名が刻まれることになります。 それ以外にも、特に宗教にとらわれずに好きな言葉や文字を刻むことも可能です。 ちなみに、戒名とは仏教に入門したときの名前を指しています。 日本では一般的に死んだあとの名前という様なイメージがありますが、これは間違いです。 また、お葬式の際に慌てて名付けるようなこともありますが、実際には生前に戒名を授かるのが理想的。 墓石に刻もうと考えている場合は、寺院や僧侶から生前戒名を頂いておくことを御すすめします。 生前に授かることで、長寿延命にもつながると言われており、とても有難いことです。 縁起が悪い様なイメージがあるので、なかなか思い切ることができない人も多いのですが、むしろ縁起の良いことですから、積極的になれると良いですね。 また、戒名にはランクがあります。 ランクは格式と呼ばれ、いくつかの種類がありますが、このランクが上がるごとに必要になるお布施の金額が高くなると言われています。 お葬式まで戒名を授かっていないと、遺族がランクについて悩んでしまいがち。 特に先祖に高い格式が付いているときは、故人にもそれなりの格式を授かる必要があるということで、費用的にも負担が生じてしまう可能性があります。 最近では、生前なら戒名のランクを問わずに一律で授けてくれる寺院も登場しています。 遺族に負担をかけない為にも、自分で準備しておくのが理想的と言えるでしょう。 もちろん夫婦墓などであれば、戒名ではなく俗名を刻むのも良いでしょう。 ちなみに、夫婦墓の場合は通常、右に夫の名前を入れて、左に妻の名前を入れるのが主流です。 好きな言葉を入れたり、名題や題目、経文などを刻むこともあります。 墓石に入れる文字は本当に「自由」なのです。