通常、お墓を買う際には一般的な土地の売買と異なり、所有権そのものを買い取ることができません。 お墓を買うのは、墓地を使用し続ける権利を獲得するということなのです。 その為、もちろん購入した墓地を墓地以外の目的に使うことはできません。 そして、その権利を他の人に売ったり貸したりすることもできないのです。 このように墓地を使用し続ける権利を得ることを永代使用権と言います。 そして、その永代使用権を獲得する為に支払う分の費用は永代使用料と呼ばれています。 これはお墓を購入する際には、ぜったいに必要になる知識ですから、しっかりと覚えておきましょう。 ちなみに、墓地は祭祀財産という括りになりますから、相続税が発生することがありません。 その為、生前に墓地を購入することは節税にもなるのです。 ※生前墓は「寿陵」とも言われています。 終活に取り組む人には、この寿陵を建てるケースも増えている様です。 注目度が高まるのにも納得。 かなり合理性の高いシステムと言えるでしょう。 中国では、古くから長寿延命の風習として、この寿陵が一般的とされていたそうです。
もちろん、墓地を使用するのにかかる費用は永代使用料だけではありません。 墓石を購入する費用も必要になりますし、それに伴う工事費も発生するので、それを忘れてはいけません。 また、永代使用料そのものも地域や墓地によって価格が変動します。 都内では比較的値段が高く、郊外にいくと安くなるのが特徴です。 これは一般的な土地と同じような感覚ですね。 もちろん、お墓の大きさ・広さによって値段は変わります。 区営・民営によっても使用料には差が出るので、その点も確認していく必要があるでしょう。 また、墓地には管理料という費用も必要になるので注意が必要です。 一般的には、毎年一定の管理料を支払うことになります。 墓地内の施設の管理や維持費として使用されるもので、寺院墓地では、単にお布施と呼ぶこともあります。 寺院墓地では、永代使用権を取得した場合に、檀家になることが条件になるケースがあります。 その場合は、各種行事に出席する義務も出てきますから、その点をしっかりと考えながら墓地購入を進めていくのも大切なポイントです。 ちなみに、永代使用料は一度支払えば返ってくることはないので注意。 もしお墓が不要になって契約を解除しても、支払った分の永代使用料は返還されないのです。 その点は注意が必要でしょう。